当院の睡眠外来について
不眠症の治療において、睡眠薬に対する「一度飲み始めるとやめられなくなるのでは」
「翌朝まで眠気やだるさが残るのでは」といったご不安の声をよくお聞きします。
しかし、近年の睡眠薬は大きく進歩しており、依存性のリスクが低く、より自然な眠りを促すお薬が主流となっています。
当院では、患者様の不眠のタイプや
ライフスタイルに合わせて、最適なお薬を提案いたします。
ここでは、当院で主に取り扱っている3つの睡眠薬について、それぞれの特徴を詳しく解説します。
※ いずれも税込価格です。
| 薬剤名 | 成分名 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| デエビゴ | レンボレキサント | 6,600円 |
| ルネスタ | エスゾピクロン | 4,000円 |
| リスミー | 塩酸リルマザホン | 4,000円 |
当院で処方する睡眠薬の比較
| 薬剤名 | お薬のタイプ | 得意な不眠タイプ | 効き目の早さ | 残りにくさ |
|---|---|---|---|---|
| デエビゴ (レンボレキサント) | オレキシン受容体拮抗薬 | 入眠・中途覚醒 | 〇 | 〇 |
| ルネスタ (エスゾピクロン) | 非ベンゾジアゼピン系 | 入眠 | ◎ | ◎ |
| リスミー (塩酸リルマザホン) | 非ベンゾジアゼピン系 | 入眠・中途覚醒 | 〇 | 〇 |

各薬剤の詳しい特徴
1. デエビゴ(一般名:レンボレキサント)
~寝つきの悪さと中途覚醒、両方にバランス良く効く~
2020年に発売されたオレキシン受容体拮抗薬です。覚醒物質の働きを抑えて自然な睡眠を促します。
【特徴とメリット】
デエビゴは、寝つきを良くする作用(入眠作用)と、夜中に目が覚めるのを防ぐ作用(睡眠維持作用)のバランスが非常に優れています。服用後、比較的早くに自然な眠気が訪れます。また、お薬の用量が3段階(2.5mg、5mg、10mg)用意されており、患者様の症状の強さに合わせて細かく調整しやすい点も大きなメリットです。
【このような方に向いています】
•布団に入ってもなかなか寝付けない方
•夜中に何度も目が覚めてしまう方
•症状に合わせて薬の量を細かく調整したい方
【注意点・副作用】
効果が長めに持続するため、人によっては翌朝まで眠気が残ることがあります。また、オレキシン受容体拮抗薬に特有の副作用として、悪夢(異常な夢を見る)や入眠時の幻覚が稀に起こることがあります。
2. ルネスタ(一般名:エスゾピクロン)
~シャープな寝つきをサポートし、翌朝スッキリ~
「非ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる種類のお薬です。脳の興奮を鎮める神経伝達物質(GABA)の働きを強めることで、直接的に睡眠を促します。
【特徴とメリット】
お薬を飲んでから効果が現れるまでが早く、スムーズな入眠をサポートします。また、体から薬が抜けるのが早い(超短時間型)ため、翌朝に不快感や眠気が残りにくいのが大きな特徴です。後述するマイスリーと似ていますが、ルネスタの方が少しだけ効果が長持ちするため、軽い中途覚醒にも効果が期待できます。
【このような方に向いています】
•とにかく寝つきが悪い(入眠障害)方
•翌朝の仕事や活動に影響を出したくない方
•オレキシン受容体拮抗薬(デエビゴなど)では効果が不十分だった方
【注意点・副作用】
服用後や翌朝に、口の中に独特の「苦味」を感じる副作用が比較的多く見られます。また、デエビゴと比較すると依存性のリスクがわずかに高いため、医師の指示通りに正しい用量を守って服用することが重要です。
3. リスミー(一般名:塩酸リルマザホン)
~マイルドな効き目で、幅広い不眠に優しく寄り添うお薬~
レンドルミンと同じ「ベンゾジアゼピン系」のお薬ですが、より作用が穏やかで、自然な眠気に近い効果をもたらすのが特徴です。
【特徴とメリット】
リスミーは「プロドラッグ」と呼ばれる特殊な仕組みを持っており、体内に吸収されてからゆっくりと睡眠作用を持つ成分に変化します。そのため、急激に薬が効いて無理やり眠らされるような感覚が少なく、マイルドに効き始めるのが大きなメリットです。
また、お薬が体内に留まる時間(半減期:約10.5時間)が長めで睡眠時間全体をカバーしてくれるため、寝つきの悪さ(入眠障害)だけでなく、夜中や早朝に目が覚めてしまう症状(中途覚醒・早朝覚醒)にも幅広く効果を発揮します。ジェネリック医薬品も普及しており、経済的な負担を抑えられる点も魅力です。
【このような方に向いています】
•睡眠薬の強い効き目(急激な眠気)が苦手な方
•睡眠薬を初めて使う方で、まずはマイルドなお薬から始めたい方
•入眠障害から中途覚醒まで、複数の睡眠の悩みがある方
【注意点・副作用】
作用が穏やかな分、マイスリーのような「すぐに眠れる」という強い即効性や切れ味は期待できません。また、効果が長持ちするため、人によっては翌朝に眠気やだるさが残ることがあります(持ち越し効果)。レンドルミンと同様に筋肉の緊張をほぐす作用(筋弛緩作用)があるため、夜中にトイレに起きた際のふらつきや転倒には十分な注意が必要です(特にご高齢の方)。長期間漫然と使い続けると依存のリスクがあるため、医師の指導のもとで適切に使用・減薬を行います。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 睡眠薬は一度飲むと、一生やめられなくなりますか?
A. いいえ、そんなことはありません。特に当院で処方しているクービビック、デエビゴ、ベルソムラなどの新しいお薬(オレキシン受容体拮抗薬)は、依存性が極めて低く設計されています。睡眠のリズムが整い、自然に眠れるようになれば、医師と相談しながら徐々にお薬を減らし、最終的には休薬を目指すことが可能です。
Q. 翌朝、仕事や運転に支障は出ませんか?
A. お薬の種類や患者様の体質によって異なりますが、当院では翌朝に眠気が残りにくいお薬を優先的にご提案することが可能です。
ただし、どのお薬も服用後の車の運転や危険な機械の操作は避けていただく必要があります。翌日のご予定に合わせて、最適なお薬を一緒に選びましょう。
Q. 自分に合う薬はどうやって決めるのですか?
A. 診察にて、患者様の「眠れないパターン(寝つきが悪い、途中で起きるなど)」「生活リズム」「現在服用中のお薬」「日中の眠気の有無」などを詳しくお伺いします。その上で、効果と副作用のバランスを考慮し、最も適したお薬を処方いたします。合わない場合は別のお薬への変更も柔軟に対応しますので、ご安心ください。
